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子の関係では、出生、認知、養子縁組、離縁、親権などが問題となります。
1出 生(嫡出子・非嫡出子について)
2、認知について
3、養子縁組
4、親権


1、出 生(嫡出子・非嫡出子について)

出生に関しては、父母との法律上の親子関係の成立が問蓮となります。
この点は、子が日本の国籍を有しているかどうか、すなわち、子の出生を戸籍に記載すべきかどうかについても関わります。
もっとも、母と子との親子関係は子の分娩という事実により比較的容易に知ることができ、また日本の民法上、母子関係は子の分娩という事実により生じることから、母が日本人であるときは、子は日本の国籍を有しており、あとは,父との法律上の親子関係が問題となるだけです。

しかし、母が外国人の場合、子の出生の時点で日本人父との法律上の親子関係がないことには子は出生により日本の国籍を取得しませんから、この点の確定は重要です。

ところで、親子関係には、嫡出親子関係(婚姻関係にある男女間の子と親との関係)と非嫡出親子関係(婚姻関係にない男女間の子と親との関係)とがあり、これらの関係の成立についてどの法律を適用するのかが問題となります。また、嫡出でない子が、出生後に父母の婚姻及び父子関係の成立によって嫡出子たる身分を取得する準正についてどの法律を適用するのかも問語となります。

(1)嫡出親子関係

各国の法制上 子が嫡出子であるためには、父母が法律上婚姻していることと、母の夫により懐胎したことを要件とするのが通例であり、嫡出制度の中心の問題は,母の夫の子であることの推定と否認権の問題です。

このうち、嫡出否認に関しては裁判が必要であり、その裁判に基づいてどのように戸籍を訂正するかの問題となります。
したがって、嫡出子の出生届で実際上問題となるのは、母が再婚の場合と離婚後に出生した場合に、子が母の婚姻中の夫の子であるかどうかの点です。

通則法28条1項は「夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。」とし、子の出生の時の父又は母の本国法のいずれでもよいから嫡出であるときは、子は嫡出子とするものとしています。

そこで、父母のうち一方が日本人の場合は、日本の法律により嫡出であれば、その子は嫡出子とされます。
日本の法律では嫡出でないときは、外国人親の本国法を調べ、これにより嫡出であるときは、子は嫡出子となります。
母が再婚であることが判明したときは、前婚の夫との関係も調査し、片方のみの嫡出子として推定されているときは、推定される方の夫の子となります。

いずれの嫡出子としても推定されているときは、父未定の子となります。

なお,嫡出否認について触れておきますと,@夫の本国法、妻の本国法共に嫡出であるときは、その双方の法律により、それぞれ嫡出性を否認できなければ、嫡出性を否認することができない。また、A夫の本国法のみにより嫡出であるときは、夫の本国法により嫡出性を否認することができれば、嫡出性を否認することができる。ということになります。

(2)非嫡出親子関係

嫡出でない子についての法律上の親子関係の成立(非摘出親子関係の成立)については、通則法29条1項で、父との関係については子の出生の当時における父の本国法により、また、母との関係については子の出生の当時における母の本国法によるものとしています。

非摘出親子関係については、各国の法制上 認知によって父子関係が成立する法制ほか、生理上の親子関係があるときは、認知を要件とすることなく、出生という事実によって法律上の親子関係を認める法制(「事実主義」といいます。例.日本民法上の母に対する関係や中華人民共和国婚姻法上の父又は母に対する関係)もあり、この法制との関係で認知等をどのように扱えばよいのかとの問題もあります。

この認知主義の法制と事実主義の法制のいずれについても、まず、父については父の、母については母の本国法により、非嫡出親子関係の成立を規律することとしています。

このため、日本人母から嫡出でない子の出生の届出があった場合、父の本国法が事実主義を採用しているときは、認知がなくとも父の氏名を戸籍に記載することができます。


2、認知について

認知については、これをできるだけ容易に認めるため、子の出生当時の認知すべき者の本国法又は認知の判寺の認知すべき者若しくは子の本国法の3種類の法律のいずれによっても認知をすることができるものとしています。

そうすると、特に子が成人した場合において、子が認知されたくないのに、親が扶養等を目的に認知することも容易になるので、そのセーフガードを設けるため、認知する者の本国法によって認知する場合には、子等の同意要件を子の本国法にもよらしめる。

すなわち、同意要件については、認知する者の本国法と子の本国去のいずれの要件も満たさなければならないものとしています。

なお,子の出生前に関係者が死亡したときは、死亡当時の本国法等によって代置することとなります。

 

(1)子が日本人の場合

子が日本人である場合は、子の本国法である日本の民法の要件を満たせば、認知をすることができます。

日本の民法は認知の要件がかなり緩やかであることから、子が日本人である場合の渉外的な認知の届出については、これによりほとんどまかなうことが可能です。民法により認知が認められないのに認知する者の本国法では認知が可能であるというのは、特殊な場合であり、公序が問題となり得ますから、そういった場合は、法務局へ受理照会をすべきです。

 

(2)子が外国人の場合

子が外国人である場合は、まず子の本国法により認知をすることができるかどうかを判断し、同法によって認知ができない場合に認知をする者の本国法を調べるのが適当です。

認知をする者の本国法による場合は、子の本国法上の保護要件も満たす必要があり、重複して調べる必要があるからです。


3 養子縁組

養子縁組の要件は養親の本国法によるものとしています。

もっとも、これだけでは、養子となる者の保護に欠けることから、「この場合において・養子となるべき者の本国法によればその者若しくは
第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。」とも定め、同意、許可要件につき子の本国法をも考慮すべきものとしています。

ここにいう「公的機関」とは、国の機関又は国が養子縁組の許可という公権力の行使を委ねられた機関、例えば,裁判所を指します。

ところで、各国の養子に関する立法を見ますと,日本の普通養子のように縁組当事者が所轄の官庁に届けることにより成立する契約型と、養子縁組の成立の要件として裁判所等の決定を要する決定型があります。

そこで、日本人が養親となって普通養子縁組をする場合は、契約型、すなわち戸籍の立場では創設的届出となりますが、外国人が養親となって普通養子縁組をする場合において養親の本国法が決定型のときは、家庭裁判所の決定により養子縁組が成立します。

この場合は.市町村役場には家庭裁判所の審判書を添付して報告的届出をすることとなり、戸籍の記載方法も異なってきます。

すこし、複雑ですが、日本人と本国法が決定型の外国人の夫婦が共同養子縁組をするときは、外国人配偶者については、その本国法上の決定要件を公的機関の許可と成立のための要件(方式)に分解し、前者の許可を家庭裁判所で行い、後者の方式を日本人配偶者と共同した市町村役場への届出で行うという手法で行うこととなります。

 次に,養子の本国法上、養子線組の成立の要件として裁判所の決定を要する場合、保護要件としてこの要件も満たすことが必要です。そして、養子の本国の裁判所の決定が得られれば、この要件を満たしているということができますが(なお,養子の本国の裁判所でそのような決定があった場合,その国の方式で養子縁組が成正したと認められることがあります。)、養子がその本国を離れていて、本国官憲の許可を要することが容易でない場合は,前同様決定要件を分解して、家庭裁判所の許可審判をしてもらい、これにより養子の本国官憲の許可に代えることとなります。

(1) 夫婦共同縁組

養子縁組の実質的成立要件では、夫婦共同縁組が複雑ですが、基本的には、養親となる夫婦の国籍が相違するときは、それぞれの養親につきそれぞれの本国法を通用することとなり、この場合、配偶者の一方の本国法によれば養子縁組をすることができないときは(例:養子制度の欠鉄,養子となるべき者の年齢制限),共同養子縁組をすることができないこととなり、さらに、他方の配偶者の本国法が共同養子縁組を強制しているときは、結局、他方の配偶者は、単独縁組も共同縁組もすることができないこととなります。

特別養子縁組も基本的には同じです。なお,単独縁組をする場合では、養親になろうとする配偶者の本国法上 夫婦共同縁組が義務づけられているときは、夫婦共同でなければ縁組はできないこととなり、そのような要件が課されていないときは(例:日本法上の成年養子),単独ですることができます。

この場合,他方の配偶者の本国法上又は養子となるべき者の本国法上夫婦共同縁組が強制されていても、同法の適用の余地はなく、単独養子縁組をすることができます。
養子の本国法が,養親の側で夫婦共同縁組でなければならないと定めていても、許可要件ではありませんから、適用されません。

(2) 実親子関係の断絶

養子とその実方との親族関係の終了については、日本人が養子となって養親の本国法に基づき特別養子(断絶型の養子)として縁組されれば、実親子関係は断絶され、このため、養子の戸籍も日本民法による特別養子がされたのと同様の手当てがされます。

(3) 離 縁

離縁は当時の養親の本国法となります。


4、親権

原則として子の本国法、例外的に子の常居所地法と定めています。

本国法、常居所地法との振り分けは、父母子の本国法が共通の場合と父母のいずれか一方の本国法が共通の場合は、その共通本国法により、その他の場合は、共通常居所地法以下の法律によるものとし、なお,親子間の法律関係についての密接関連法を子の常居所地法に法定するとの考え方でされています。

親子間の法律関係では親権の帰属が戸籍の公示上問題となりますが、日本人である子に関する親子間の法律関係に子の常居所地法が適用され得る場合とは、@日本人と外国人が婚姻し、その間に子が出生した後、日本人である親が死亡した場合。A日本人女が嫡出でない子を出生した後、外国人父がその子を認知し、その後、日本人母が死亡した場合等に限定されています。


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